横型 短い夢、長い憧れ
2025.12.16公開
美容は、誰もが最初に
「憧れをかたちにする」行為だと思います。
この作品ではそんな美容の原点を
「子供の背伸び」という物語で描きました。
昼間、姉弟は親の化粧品をこっそり子供部屋の引き出しに隠す。
それは、夜に憧れの自分へと背伸びするための
2人だけの秘密の作戦。
両親が眠りについた静かな時間、2人は鏡の前で化粧やセットをはじめ
まだ見ぬ“憧れの自分”に近づこうとする。
やがて夢の中で2人は憧れの姿になり、街を歩き、笑い合う。
その世界では、憧れが確かに形となり自由に輝いている。
拙い化粧、スタイリングのまま眠る2人の顔には
“叶えられた夢”の余韻だけが
満足そうに残っている。
美容は、”変わりたい”と願う心のすぐそばにある。
憧れを信じて踏み出すその瞬間の輝きをこの映像に込めました。
この作品は自分自身の
実体験をもとに生まれました。
僕の家族は、祖母も、両親も、姉も、そして自分も美容師です。
小さな頃からハサミと共に人が笑顔になっていく光景を見て育ちました。
美容という仕事が誰かの心を動かす“力”を持っていることを
身近で感じながら生きてきました。
この1分の映像にはそんな自分の記憶と感情を重ねています。
“美容の力”それは誰かを変えるだけでなく
自分自身を信じる力でもある。
人種や性別を越えて誰もが一度は抱いた
「可愛くなりたい」「かっこよくなりたい」という想い。
その小さな憧れのはじまりを描きました。
人の心に触れ、ハサミ一つで人生を変えられる
この仕事に出会えたことを心から誇りに思います。
“美容の未来を信じたくなる1分”
として誰かの記憶に残れば嬉しいです。
