2025.09.04公開
KAMI-1 グランプリ 2025
髪は、ただの形ではない。
その人の印象、気配、内面さえも映し出す輪郭であると、僕は信じている。
この作品は、髪を切るという行為を通じて、
目に見えないその人らしさに触れる瞬間を描いたものです。
ハサミの音、揺れる髪、差し込む光。
それら一つひとつに想いを込め、
美しさの本質を問いかけるような映像表現を目指しました。
完璧よりも、余白を。
つくりすぎない美しさに、
本当の品は宿ると信じています。
「この人に似合う髪って、どこから始まるんだろう?」
ただ長さやデザインを整えるんじゃなくて、
もっとその人の“印象”とか“空気感”まで映し出せるようなカットがしたい。
そんな気持ちで、いつもハサミを握っています。
この作品は、言葉で説明しきれない“美しさの本質”を
静かに、でもちゃんと届くように、映像に落とし込んだものです。
髪が変わると、表情も、姿勢も、人生も少しずつ変わっていく。
完璧じゃなくていい。
でも、心に残る髪をつくりたい。
輪郭に、光を。
そんな想いを込めました。