2分以内の動画規定の中で2分の尺をいっぱいに使う動画にしようと考えました。
ショート動画が流行の時代に2分間飽きさせない動画の構成を工夫し、2分を3分割し、苦悩-欲求-創作という展開にしました。

一本通して気に掛けたところは、
見ていて先が気になる脚本、視覚的に飽きない演出と画のインパクト、聞いていて気持ちいい音楽と違和感のあるセリフです。

冒頭、苦悩のシーンでは思考の中で溺れ、思考が曇っていく様を、水の中で黒く濁る水とリンクさせ表現し、日常の中では理性を保ちながら日々美容師として生活する主人公とその傍ら疲労を抱えながらも他の時間を創作活動で使っている懸命な様子を描きました。

夢のシーンに入りセリフの中に普段隠している自分自身の承認欲求や周囲からどのように見られているのかという恐怖や葛藤を散りばめました。

現実離れした夢の世界観を意識しながら、そこから作品のヒントをもらえているということもわかるように画作りにもこだわりました。

本作品の肝である、作品を見せるカットでは女性のヘアクリエイティブを妥協なく作り込み、動画でしかできないクリエイティブ表現としてライティングで変化をつけ、迫力を出すためにワンカットでの撮影にこだわりました。

ラストシーンでは創作活動の楽しさを見ている方に伝えたかったので、笑顔で眠る主人公とまた新しく自分の作品が誕生した様子で飾りました。

自分たちがこの一本の動画の創作活動を通して、感じた苦悩〜喜びの部分を動画に反映したつもりです。本当に0から作るという事はとても大変で、美容師はそれを仕事ではなくプライベートで作っているケースがほとんどだと思います。

そんな方々への尊敬と、これから少しでもクリエイティブを楽しんでくれる美容師が増えたらと願いを込めました。
自分達のできることを2分に凝縮した作品です。
色々な箇所のこだわりを何度か繰り返して見返してもらえると嬉しいです。

最後に、振り返ると自分たちの潜在能力を高めてくれたコンテストだったと感じています。このようなコンテストを開催して頂いた企画、運営、協賛頂いた皆様に感謝の気持ちと、長い制作期間を支えてくれた会社、スタッフ、家族にも心から感謝しています。

本当にありがとうございました。

沢山の人がこの動画を愛してくれますように。