2025.12.16公開
この作品は、
「いまの自分を愛したいのに、愛せない」
そんな揺らぎと向き合う心を描いた物語です。
美容師として、人として、
止まらない時間の中で前を向き続けようとする一方、
立ち止まることへの恐怖や、他者の視線、自分への失望に
押しつぶされそうになる瞬間があります。
だけどその”弱さ”は、
決して恥ではなく、成長の始まりだと気づきました。
映像、ヘア&メイク、衣装、音楽のすべてを通して、
「迷いながらも歩き続ける人間の姿」を表現しています。
歌詞には「時計」「影」「鏡」など
過去・現在・未来をつなぐモチーフを散りばめています。
『Echoes of Yesterday(昨日の残像)』には、
過去の自分の声が、今を生きる自分を静かに導く。
そんな願いを込めました。
登場する「悩める天使」「漆黒の鬼」「煉獄の騎士」は、
心の中の”自分の断片”です。
弱さに迷い、怒りに沈み、それでも希望を抱く。
その全てを受け入れることで、
人は”強くなる”のではなく、
”自分になる”のだと思います。
曲の一節に、
「鏡がひび割れ、それぞれの破片に同じ炎が映る」という言葉があります。
どんなに砕けても、どの破片にも変わらぬ熱と希望が宿り続ける。
そんな想いを込めています。
悩むことは停滞ではなく、
再び歩き出すための時間。
この映像が、誰かのそんな時間に寄り添い、そっと背中を押せる一筋の光になれたら。
その願いを胸に、この作品を創りました。
美容師として、
お客様の「外見」を磨き、その人自身と向き合いながらも、自分の「内側」とも
どう向き合うかを問い続けてきました。
この作品を通して、自分の弱さを隠すことではなく、そのまま受け入れ抱きしめることで、
初めて本当の”私”に近づけた気がします。
映像や音楽、ヘア&メイクを表現の手段に、その根っこにある、
誰かと同じように”悩んでいる自分”。その完璧ではない「心の悩み」の美しさを描きたかった想いが芯にあります。
この作品が、誰かの心にそっと残る”昨日の残像”となり、
観る人が自身の感情を重ね、「責める時間」が、少しでも「優しく見つめ直す時間」に変われば嬉しいです。