KAMISMA ONE

縦型 MADAMA BUTTERFLY

2024.08.27公開

ERI

AMATA creative

プッチーニ没後100年という2024年。
迷うことなくAMATAはチームで「蝶々夫人」を演じることを選択。今年はバレエやオペラでも日本各地で「蝶々夫人」で盛り上がる中、ヘア業界で60秒という短い時間で表現するにあたり、果たしてどこの部分をクローズアップしたら美しく鮮明なのか、と考えた。
日本とアメリカ。そして蝶々夫人とピンカートンとの別れのシーン〝永遠のさよなら〟になってしまう、甘く切ない心の動揺からのスタート。そして3年もの間、待ち焦がれた蝶々夫人の愛憎によるラスト、自害するシーンでは髪色の変化と荒れた心を投影したヘアデザインとメイクを重ね合わせ、AMATA流シナリオと共にその現代版を創りあげた。
プッチーニの「ある晴れた日に」の曲、ソプラノの伸びのいい美声にセリフ、動作がピタリと合った縦型動画ならではの迫力をぜひ。

長崎での物語は時代を経て〝東京〟にて。
港で雨のシーンから始まり、芸者である蝶々がピンカートンと別れを惜しむプライベートシーン。風で舞う垂れ帯があと少しでお別れという哀しみを彷彿させる。
美容師はヘアだけでなく、そして洋装だけでなく和装を創れる技能もある。着付け師助教授である店長の和に向き合った今風モダンな着付けとヘアは見もの。

雨音がまるで心の動揺を表してるかのような、気持ちの揺れ動きと共に遠くから船の汽笛。
空気を震わせる切ない高音に重ね合うのは、ミラノ在住である知り合いのソプラノ歌手が歌う艶っぽい「ある晴れた日に」の情緒的な出だし。
互いの響きで、これから起こる葛藤の前ぶれにゾクっとするものを感じていただけたら。

3年間、彼を待ち続ける蝶々夫人は、その間にヘアをブロンドにして心底アメリカ人になりたかったというシナリオに。
裏切られた悲しみから最後の自害シーンまで美しく演じることに徹した。
新体操選手で、リボン種目も得意であったモデル(サロンの広報)の伸びやかな肢体を生かし、血しぶき(赤のリボン)さえ誇り高き美しいものに変えました。
ラストシーンは彼の住むアメリカへ魂ごと連れて行って欲しい、という蝶々夫人のせつなさだけが残ります。



ソプラノ歌手: ©️MOTOKO KAWATA
「ある晴れた日に」(オペラ『蝶々夫人より』)
作曲: ジャコモ・プッチーニ

蝶々夫人: 宮崎舞
ピンカートン: 上之園大夢
ヘア&着付け : ERI
メイク: MIKA

Shooting Location:海ほたるPA / MINAMI AOYAMA
Edited by: MIKA
Directed by: MIKA
Produced by : AMATA