『遺髪』というのは、亡くなった方の形見として
残された毛髪のこと。
昔から、故人の身体の一部である髪を
その方の身代わりとして形見にするという習慣は
世界各地で行われてきました。

1人の故人の女性の髪を遺髪していく
物語を創りました。

切った髪を壺に入れると、女性の生前の記憶が蘇る。
切り終えると女性は美しい楽園で目を覚まし舞う。
髪を切っていた1人の人物が壺に手を伸ばすと
髪は美しい首飾りの形見（遺髪）となる。


我々美容師が日々携わる『髪』はデザインだけではなく
人の記憶や想いを宿し、誰かの生きる希望にもなる
尊く、とても美しいものです。

その想いを映像で伝える為に映像序盤では
髪が記憶を蘇らせるシーンを。
映像終盤では髪が未来へと受け継がれるシーンを
取り入れました。

天国へと旅立った女性のヘアメイク、衣装は
『蝶々』をテーマにしました。

蝶々は美、自由と解放の象徴。

ヘアとメイクは蝶の色鮮やかな美しい羽、力強さを
表現する為にブルーとオレンジを髪色やアイシャドウに
取り入れ、楽園を表現しました。

衣装も幻想的な世界観にするために
花や蝶を日差しが差し込む素材に散りばめました。

音楽でも故人の髪を切る神秘的なシーンから
楽園でのダイナミックで美しいシーンに
変わる様子を表現しました。

遺髪として人の形見ともなる『髪』を日々、扱う
美容師という素晴らしい職業。

人の人生でとても大切な『髪』に
これからも真摯に丁寧に愛を込めて
携わっていきたいと思います。

『髪』に関わる全ての人に敬意を込めて。

是非、ご鑑賞頂ければと思います。